藤沢市保健医療センターで「未病指標の信頼性・妥当性評価」研究の追加測定を行いました
昨年、藤沢市保健医療センターのご利用者様を対象に行った「未病指標の信頼性・妥当性評価」研究の追加測定がこのほど終了しました。この研究は、「神奈川県みらい未病コホート研究」を基盤に実施しているもので、昨年12月17日・23日・25日に行った23名に続き、今年5月25日・28日、6月1日の3日間で17名の皆様にご協力いただき、合計40名(男女各20名、65~85歳)の皆様に研究にご参加いただくことができました。
未病指標とはどんなもの?
未病指標とは、神奈川県が独自に開発した健康アプリケーション「マイME-BYOカルテ」で測定できる指標のこと。自分が「健康」と「病気」のグラデーションのどこにいるのかを示す指標で、生活習慣、認知機能、生活機能、メンタルヘルス・ストレスの4つの領域についてセルフチェックを行うことで、総合得点で示されます。
※「マイME-BYOカルテ」ダウンロードはこちらから https://www.me-byo-cohort.jp/me-byo-index/
本研究は、未病指標のスコアをより精緻化し、今後、アプリに未来の自分の健康予測機能を追加していくために、より多くのデータを収集・分析することを目的としています。その結果、県民の皆様の健康づくりへのモチベーション、行動変容の促進にもつなげていきたい考えです。
測定はどうやって行うの?
本研究の測定当日は、血圧・身長・下腿周径・体組成の測定、準備体操を行った上で、①5回椅子立ち上がり測定、②未病指標測定、③歩行速度(10m)測定、④歩行速度(100m)測定─の4項目を測定しました。それぞれの内容は下記の通り。
①5回椅子立ち上がり測定:高さ40~43㎝程度のひじ掛けのないタイプの椅子を用意。参加者は両腕を胸の前でクロスし、少し浅めに腰掛けます。「用意」に続き「始め」の合図で、体の痛みがない範囲でできる限り素早く5回、椅子から立ち上がっていただきます。1回目の立ち上がりをスタートしてから、5回目の立ち上がりが完了し、着座するまでの時間を測定します。
5回椅子立ち上がり測定は、膝や腰に負担にならない範囲で実施(当日使用した椅子は高さ42cm)
②未病指標測定:健康アプリケーション「マイME-BYOカルテ」のME-BYO INDEXをセルフチェックします。ご自身で、生活習慣<性別・年齢・BMI(身長&体重)・収縮期血圧>、認知機能<Mini-cog※¹>、生活機能<ロコモ5※2、歩行速度>、メンタルヘルス<音声MIMOSYS※3>について実施いただきます。
※¹ 3語の即時再生と遅延再生と時計描画を組み合わせたスクリーニング検査
※² ロコモティブシンドロームの簡易評価
※³ 本人にも気づきにくい心の状態を声から評価するアプリ
感染対策で透明カーテンなどを設置した上で、未病指標を測定
③歩行速度(10m)測定:スマホのストップウオッチ機能を活用し、「いつも歩いている速さ」を測定します。助走距離を4m設け、その後10mを歩行。3回実施して平均値を出します。
スマホを確認しながらスタート!
④歩行速度(100m)測定:スマホのGPS機能を活用して、屋外を100m歩き、歩行速度を測定します。3回実施して平均値を出します。
安全に100m歩行できるスペースを確保して実施
歩行の癖を「見える化」する先端的デバイスも体験!
当日は、①~④の測定のほか、腰に専用ベルトを装着して歩くだけで歩行の癖を解析できる先進的なデバイス「AYUMI EYE」を活用して、参加者の皆様の歩行状態も測定。自分の歩き方の癖や修正ポイントを画像や数値で見える化できるこのデバイスに、参加者の皆様も興味津々の様子でした。
今回の測定当日から4週間後には、認知機能<Mini-Cog>について専門家による対面測定を行い、8週間後には参加者本人によるMini-Cog再検査も実施するなどして、測定結果の信頼性・妥当性を詳細に検証していきます。
研究にご参加いただいた40名の皆様、測定にご協力いただいた藤沢市保健医療財団の田中様、高橋様、保健師の皆様、本当にありがとうございました。
研究担当:神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科
イノベーション政策研究センター 特任研究員 齋藤義信
研究補助:一般社団法人ハイジアコミュニケーション